甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 けど、理仁さんと行けたら……楽しいだろうな。

 去年まで満足に行けなかったから、行けたらどれだけ楽しいだろう。

 それが、理仁さんが居るって事になったら……って、あれ?

 ……私、どうしてこんなに理仁さんと一緒に行きたがってるんだろう。

 ふっとそんな疑問が脳裏をよぎり、うーんと考え込む。

 どうしてか、理仁さんと行けるかもしれないって思ったらわくわくして楽しみで、今まで感じた事のない感情が苛んでくる。

 そして私は、いつの間にか口に出していたようで。

「ふーん……千鶴先輩、古城先輩に恋してるんじゃないですか?」

 なんて、茉優ちゃんに言われた。

「えぇっ……!? 私が理仁さんに……?」

「話を聞いてたらですよ。だって、恋してなきゃわくわくとかしないでしょうに。」

「で、でも花火大会が楽しみって思ってる可能性は……」

「ないですね。一回自分の顔、鏡で見たら分かると思いますよ。」

 鏡なんて持ってないよっ……。

 と言いたくなったけど、茉優ちゃんの言葉が妙に頭に張り付いている。