今は七月中旬。熱くったって仕方がない。

 だけど最近は地球温暖化が進んできていて、真夏のような日々がとっても増えている。

 暑いの苦手だから、少し嫌だなぁ……なんて、思ってしまう。

 制服は半袖だし、スカートも薄い生地が使われている。

 それでも暑い事に変わりはないから、結構参っちゃってる。

 ……そろそろ、学校行かなきゃっ。

 今日の気温を確認した時に時計が目に入り、急いで玄関へと向かう。

「行ってきますっ。」

 玄関扉を閉める間際、私は誰もいない部屋にそう残した。

 それと同タイミングで、左隣から私宛てのこんな声が飛んでくる。

「千鶴、はよ。」

「あっ、理仁さんおはようございますっ。」

「今日も元気そうだな、千鶴は。」

「理仁さんは元気じゃない、ですか?」

「……いや、千鶴の顔見たら元気になってきたわ。」

 そ、そうなの? 元気になってくれたのなら、良かったけど……。

 私が今お話をしている相手は、私のお部屋の隣に住む古城理仁(ふるきりひと)さん。