「茉優ちゃん、お待たせっ。」

「あっ、千鶴先輩やっと来た。遅いですよー。」

「ご、ごめんねっ! 急いできたつもり、なんだけど……」

「まぁ全然大丈夫ですよ。約束の時間までまだ十五分も早いし。」

「それにしては茉優ちゃん、来るの早いよね。」

「そりゃ、千鶴先輩と会えるの久しぶりだったからついつい。」

 そう言いながら、ふふっと笑みを零す目の前の女の子。

 高い位置で結っているポニーテールがトレードマークの私のお友達、茉優ちゃん。

 茉優ちゃんとは中学の頃に仲良くなって、同じ学校という事もあり今でも仲が良い。

 学年が違うから、滅多に会えないけれど……。

 今日は元々茉優ちゃんと少しのお出かけをする予定だったから、とっても楽しみにしていた。

「それじゃ、早く行きましょ。新しくできたカフェに。」

「うんっ、そうだねっ。」

 茉優ちゃんは私よりも大人っぽくて、今だってすっごく落ち着いて見える。

 うぅっ、私って子供っぽいや……。

 そう比較して悲しくなり、気分が落ち込みかける。