甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 隣の席という事もあって、男の子の中では一番仲が良いと思う。

 ……だけど、あんまり親しくしたら怒られちゃいそうなんだよなぁ。

 そんな風に思ってしまうのは、怜司君もモテる人だから。

 理仁さんとはタイプが違って、温厚でリーダーシップがある怜司君。

 その上顔も整っているから、女の子たちから人気。

 噂によるとファンクラブもあるらしいし……だから、少し一線を引かなきゃならない。

 それに、私なんかが話しかけても怜司君には迷惑かもしれないしね……。

「ねぇ、千鶴ちゃん。」

「ん? どうしたの?」

 先生が来ちゃう前にせっせと準備をしている私に、怜司君は声をかけてくる。

 不思議に感じで素直に聞き返すと、返ってきたのはこんな言葉だった。

「千鶴ちゃんって、古城先輩の恋人なの?」

「う、ううん、違うよっ。私と理仁さんは、断じてそんな関係じゃないよっ!」

 少し身構えた私にとって、そんな質問は拍子抜けするようなものだった。

 けれど意図が分かった私はすぐ、事実を口にした。