甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 直球に万季ちゃんに尋ねられ、一瞬言葉に詰まる。

 だって言ってしまったら、朝からドジした事いじられるかもしれない……。

 万季ちゃんはいい意味でいじってくるから、ダメージはないんだけど……ちょっと言いにくい、かも。

「ね、教えてっ!」

 ……でも、万季ちゃんがこれでもかってくらい気にしているように見えたから。

「分かったよ。……だけど、笑わないでね。」

「へ? 笑う要素がある感じ?」

「うん、多分。」

 最初にそう断りを入れて、言いにくい口を強引に割った。



「あー……そういう事っ。だから一緒に学校来てたのか。」

 私が一通り話し終えると、万季ちゃんは軽い口調で呟く。

 そこにはどこか面白いと言った感情も垣間見える気がして、私はきょとんとしていた。

 ……けど次に万季ちゃんは、意地悪なのかニヤニヤと口角を上げる。

 そして、私の頬を人差し指でツンツンしてきた。

「にしても、千鶴が前からちょっとドジっ子なのは知ってたけど……朝一でこけるのは流石に可愛いって。さっすが千鶴だわ。」