「ああ、頼むぞ。」

   *

 昨日、“風蘭”改め“ララ”と話した。私のパニック症状についてを。
 「ホノはどんなときに、トラウマが呼び起こされるの?」
 “トラウマが呼び起こされる”、?
 「いわゆる、パニックになるの?」
 「そうだな、、・・・まあ、多分二種類あって、一つは、する・されるで起こるもの。」
 「前みたいに、目隠しされたり、手を引っ張られたりってこと?」
 「そう。そして、もう一つが、状況に遭遇してしまったとき。」
 「ってことは、どちらにせよ、それ自体に、どんな形でも、関わると、症状が出るってことか。」 
 「うん・・・」
 でも 9月の空は秋晴れ、といったところである。
 「え?どういうこと・・・?」
 「まず大前提として何だけど、私とカイくん、幼馴染なの。」
 「は、、?・・・」
 「まあ、一旦それはおいておくとして、」
 私は、これまでの事情を全て話した。
 そして、話した上で、籐駕に言った。
 「私は、ララ、、いや、風蘭の彼女。私は、風蘭と付き合ってるの。だから、籐駕とそういうことはできない。ごめんなさい。」
 「・・・一生、、?」
 「うーん、、私に彼氏がいる間は、かな?」
 「、、わかった。」
 と、言う感じで、事態は一時休戦、いや終戦となった。

 「籐駕だけ残って。」
 と、私は、出ていこうとしていた籐駕を呼び止めた。
 「・・・」
 ムスッとし、すねているように見える、籐駕。
 「ごめんね、きつい言い方して。今私の心は完全に、風蘭のもの。虜だよ。でも、仮にももし、籐駕のことを好きになっちゃったら、私は、はっきり、風蘭をふるつもり。ま、その前に振られちゃうと思うけどね。」