「姫、少し我慢しろよ……」
数日前から私に付き纏ってくる吸血鬼、レオ。
私が夕飯を食べ終えると、レオは背後から私の首筋に歯を立てようとする。
次は俺の番と言わんばかりに。
だけど、レオの歯よりも先に銀髪が私の首に触れた。
怖い。
どうしたってその感情が芽生えてしまい、私はレオの腕から逃げるように、席を立つ。
「相変わらず血をくれねえな、姫は」
レオは怒るどころか、笑っている。
私は、この笑顔に甘えているのだ。
席を立ったついでに、皿をさげる。
「ねえ、姫って呼ぶの、やめて」
台所から言うと、レオは私の隣に立った。
そして、私からスポンジを取り上げる。
レオはこうした雑用を、なぜか進んでやってくれる。
やらないでと言ったこともあったけど、笑って誤魔化された。
「姫は姫だからなあ」
「どういうこと?」
「吸血鬼にとって、相性のいい、血が美味いと感じる人間の女は姫と呼ばれる」
吸血鬼がそんなロマンチストだったなんて、知らなかった。
でも、そんなことよりも気になることが一つ。
「私、血をあげたことないよね?」
「ああ、ねえな」
それで相性がいいなんて、よく言えたものだ。
数日前から私に付き纏ってくる吸血鬼、レオ。
私が夕飯を食べ終えると、レオは背後から私の首筋に歯を立てようとする。
次は俺の番と言わんばかりに。
だけど、レオの歯よりも先に銀髪が私の首に触れた。
怖い。
どうしたってその感情が芽生えてしまい、私はレオの腕から逃げるように、席を立つ。
「相変わらず血をくれねえな、姫は」
レオは怒るどころか、笑っている。
私は、この笑顔に甘えているのだ。
席を立ったついでに、皿をさげる。
「ねえ、姫って呼ぶの、やめて」
台所から言うと、レオは私の隣に立った。
そして、私からスポンジを取り上げる。
レオはこうした雑用を、なぜか進んでやってくれる。
やらないでと言ったこともあったけど、笑って誤魔化された。
「姫は姫だからなあ」
「どういうこと?」
「吸血鬼にとって、相性のいい、血が美味いと感じる人間の女は姫と呼ばれる」
吸血鬼がそんなロマンチストだったなんて、知らなかった。
でも、そんなことよりも気になることが一つ。
「私、血をあげたことないよね?」
「ああ、ねえな」
それで相性がいいなんて、よく言えたものだ。