ヴァンパイアガールズ

綺麗な顔が,本当に青白い。

先週あんなに食べてた人が,たった少し見ない間に栄養失調なんてと,ちはやの身体を見つめ続ける。

人間離れした美貌,頭脳,運動能力。

何一つ取り零さずに産まれてきたような,ヘンテコな人間。

"変なやつ"

なんどそう思ったか分からない。

貧血の,自己申告。

極めつけは



『ヴァンパイアかと思っちゃうわ』




私は,はぁと,息を吐いた。

気付きたくない,気付きたくないのに。

あの太っちょで変態でタヌキで,ヴァンパイアの鏡のような思考をもつ学園長が,こんなことを簡単に許すとは思えない。

だって,ちはやはどう見ても男だから。

だけど……

私はごそごそと,ぽっけから小さなガラスを取り出す。



「ちょっと,ごめん」



これからすることの全てに,私は小さく届かない声をかけた。