バレた,気付かれた……傷付けた。

最後に残った感情がそれで,自分まで裏切っているのだなと絶望する。

まだ,ギリギリまで粘らないと。

今日,明日。

……明後日はもう,流石にないだろう。

ハルは,いつまで黙っていてくれるだろうか。

人間で,異性で。

よく血を欲しがったハルなら,秘密と交換にしてくれるだろうか。

友達相手に,ひどいことを考えた。

ヴァンパイアにとってみたら,それがひどいことなのかはよく分からなくなってくるけど。

そこに私の思いやりがないことだけは,確かだった。

どうしよう,どうしたらいいの?

このままじゃ,他のヴァンパイアにもバレてしまう。

人間の校舎,私は正面にヴァンパイアと思われる綺麗な顔を見て,咄嗟に適当な教室へ転がり込んだ。



「……なっ……お前,ヴァンパイアか……??!!!!」