三日後に死ぬ彼に血をあげたら溺愛が止まりません



 何それ。私のこと嫌いなくせに。好意があるようなこと言わないでよ。


 けれど、卵焼きが食べたいと思ってくれているのは素直に嬉しい。


「……はい」

 そっと差し出すと純は床に座りお弁当箱の蓋を空けた。そして血入りの卵焼きを手に取り口に入れる。


「んっ、すげぇ美味い。今日のは昨日より食べやすいし、ちゃんと味が分かる」


「昨日は調味料をごちゃごちゃ入れてたから。ち、ちなみに……美味しいってどういう感じ?」


「上手く言えないんだけど、なんかこう、血がたぎるような感じ。あと、脳みそもビリビリして、凄い、欲してたものが行き渡ってる。こんな感覚初めてで、ずっと忘れられなかった」

「じゃ、じゃあ、こっちは?」


 血入りじゃない卵焼きを食べさせると、「こっちは別に。イマイチ……つーか、普通」と不服そうに返事をした。


 私の勘は自惚れじゃなかったのかもしれない。


 私の血が純の栄養になっている。


「こ、これ、食べてたら純は死なないと思う!!」


 興奮気味に話すと、純も大きく頷いた。


「俺もそう思う。なんか、すごく……心地いい」


 嬉しそうな顔をする純。私までつられて笑顔になる。


 私の生き血が純の栄養になっている。これほど嬉しいことはない。だけど、


「この卵焼き、何入ってんの?」


 不思議そうに問いかける純に、私の血だとは言えない。