三日後に死ぬ彼に血をあげたら溺愛が止まりません




「わ、わたし……純の言うとおり、卵焼きに血を入れてたの……ううっ……生きていてほしいから……グスッ……純が好きだから……ご、ごめん、わたしの方こそ勝手な真似してごめんなさい、ううっ」

「え、す、好き?」


 動揺して顔を真っ赤にする純に、泣きながら頷く。


「他人の血を舐めてるのも本当はイヤだった、ううっ、早川さんの卵焼きたべてるのもイヤだった、でも、小柳くんが純のことを勘ぐってるのもイヤだった……でも、それよりも純に生きてほしいから……」


 嗚咽と一緒に今までの不満を全部ぶつけると、純はハハッと苦い顔をしながら微笑んだ。


「他人の血は本当にごめん。でも俺、今みたいに唇を舐めたことはないから。早川の卵焼きは、絶対小柳への当て付けって分かってたから一応早川に協力してやっただけで、それ以降は誰の卵焼きも食べてないしアレっきり。小柳が勘ぐっているのは、勘ぐっているんじゃなくて、俺がヴァンパイアだってアイツ知ってるから。なんなら俺、遥のこと好きってアイツに言ってるし、だから遥にちょっかいかけたかったんだと思う。それにヴァンパイアって知られて弱み握られるのもイヤだったから先手打って早川とくっつけてあげたのは俺だし、だから、アイツ、俺に下手なことできない」


 私以上に悲しそうな顔で、私の投げかけた不満にひとつひとつ説明してくれた。


 頭が追いつかなくてぽかんと口を開けていると、純は私の腰に手を回して私の唇に自分の唇を重ねた。


 純の唇はほんのり冷たくて、でも、そのひんやりさが心地よくて、同時に心臓が飛び跳ねるくらい私のドキドキは高鳴っている。純の唇、薄くて冷たい。けれど、柔らかい。私の唇を包み込んでくれる。その気持ち良さに酔いしれていると、唇がそっと離れた。