三日後に死ぬ彼に血をあげたら溺愛が止まりません




「遥が小柳に甘えるわけないだろ。おまえが遥に何かしたんだろ。早川と喧嘩してるからって、おまえも早川も、二人して嫌がらせし合ってんなよ」


 ……ん? なんで早川さんの名前??


 私の疑問はそっちのけて、純と小柳くんの会話は進んでいく。純が投げかけた言葉に小柳くんは、


「だって美樹が悪いでしょ。連絡遅いし、誰とどこ行くか話してくれないし、俺、心配で心配で」


 早川さんのことを『美樹』と口にした。話を聞いている限り二人の仲は親しいらしい。


「心配しすぎだって言ってるだろ! 女子かよ。いいから、遥を離せって」

「だーって! 宮崎さん、卵焼きに自分の血入れるほど愛情が捻くれてるから、きっと俺の気持ち分かってくれるって思ってー! ちょっと話したかったんだよ!」


 小柳くんは私のことを『自分の血を卵焼きに入れるヤツ』と決めつけては、私に共感を求めた。


 ぎゅううっと痛いほど抱きしめる小柳くん、の胸から無理やり顔を出し、小柳くんに憐れみの目を向けると、


「え!? いやいやいや! 言っとくけど、宮崎さんにだけはそんな目されたくないし! 俺はまだツンデレで留まれてるけど、宮崎さん、全然留まれてないじゃん、ヤンデレじゃん!」


 俺と一緒にするなと言わんばかりに自分の意見を正当化し始めた。腹が立つので、

「私も小柳くんみたいなヤンデレごめんだよ。しつこい、うざい。怖い」 

 と言い返すと、「俺はまだ手料理に血混ぜたりしてないし! バーカ!」と、子どもみたいな返しをしながら、この期に及んでもまだ、卵焼きネタを引っ張ってきた。