三日後に死ぬ彼に血をあげたら溺愛が止まりません



 ……えっ!? 噛み…殺す……!?


 何を言われたか理解できない。小柳くんは私の唇から出ている血を指で救い、その指をペロッと舐めた。


「……んんー」


 『悪い、全然美味くなかった』と、歯を見せて笑われたけど、私は全然笑えない。


 小柳くんは何か知っている、そんな気がする。


 そんな中、時計の針は一刻一刻と進んでいる。もう皆も登校してくる。


 小柳くんの胸を軽く押した、その時、ガラガラッと鈍い音を立てて教室のドアが開いた。


「…………小柳と、遙?」


 不安気な声を、私達に発したのは純だった。焦った様子で私達の元へ近づいてくる。けれど小柳くんは私の前から動く様子はない。


「こ、小柳くん離れてよ、純が来てる」

「だからだよ、こんな血見せたら、アンタ噛み殺されるって言ってんじゃん。アンタのためだよ」


 小柳くんは離れるどころか、私をぎゅうっと抱きしめた。顔が胸に埋まる。離してほしくて、何度か胸を叩いてみるけれど、ビクともしない。


 さっきから、噛み殺されるってなに!? 何でこの人勝手に純がヴァンパイアだって決めつけてるの?


「おい、何でそんなくっついてんの」


 純の苛立った声が耳に響いた。そんな純に、


「……なんか急に宮崎さんが甘えてきたよねー」 


 抱き合っている原因を私のせいにした小柳くん。ハアと呆れたような、盛大なため息が聞こえてきた。


 ――もう、いい加減にして!


 このままじゃ純に誤解されちゃう!!