三日後に死ぬ彼に血をあげたら溺愛が止まりません




「血、入れてないよ……」

「じゃあ確認させてよ」

「『確認』って……入れてないって言ってんじゃん!」


 強気な目を向けられたため、私も大きな声で対抗する。けれど、小柳くんは引き下がってくれる様子がない。それどころか、『ハハッ』と、私を小バカにした。


「そんなムキにならなくても、誰も入れたらダメなんて言ってないじゃん? まあ、血入ってるなんて聞いたら、『キッショ、コイツ、ヤンデレかよ』って思うし、俺なら絶対ごめんだけどねー」


 『だから宮崎さんは絶対ごめんだけどね』と決めつける小柳くんに言い返すことができない。頭が回らない。純がヴァンパイアだと決めつけられているようで、初めての出来事で、こういうとき何と答えたらいいのか分からなかった。


 唇を噛み、必死に怒りを押し殺していると、


「痛ッ゙……」


 唇を切ったらしい、ほんのり口の中に血の味が滲んだ。


 ……私の血、全然美味しくないじゃん。マズイじゃん。


「まあ、いいや。じゃあさ、血の味確かめさせてよ」

「…………血?」

「うん、唇、血出てんじゃん??」


 小柳くんは私に少しずつ近寄ってくる。


 人のことヤンデレ呼ばわりしたくせに。宮崎さんは絶対イヤだって言ったくせに、何で近づいてくるの!?


 ジリジリと近づいてくる小柳くん。一歩一歩引き下がるけれど、逃げ場がなくなり、恐怖で地べたに座り込んでしまった。


 小柳くんもしゃがみ込む。


「わ、私……純とは幼なじみだから」

「だから?」

「ただ、純が心配なの」



 小柳くんの顔が私に近づく。唇と唇があと少しで触れてしまいそうで、必死の抵抗で、更に唇を噛む。




「アンタさ、噛み殺されたいの?」