卵焼きを作っていったからか、『三日後に死ぬ』と言っていた純はちゃんと生き延びている。どことなく、前より元気になったような気もする。
◇
この日もいつものように、朝早くに学校に登校した。早く来ているおかげもあってか、私より一番に来ている人はいない。
教室に入り真っ先に向かうのは純の席。机の中にお弁当を忍ばせるのがここ数日の日課になっていて、今日も純の机にお弁当をいれていると、
「やっぱりー、純のお弁当って宮崎さんが作ってたんだ? 卵焼きの中身、何が入ってんの? 血?」
純といつも一緒にいる小柳くんが静かに教室に入ってきた。そして、『見〜ちゃった』と、何かを企んでいるかのような目で私を見る。
『血』と言われ、一瞬ドキッとしたが、気づかれないようにすぐに笑顔を作った。
上手く笑えている気がしない。
「……血? 小柳くん何言ってるの?」
「純、よく人の血舐めてたからさ。すげぇ不味そうな顔してたけど、でも、宮崎さんの卵焼きは美味そうに食べるよね」
「……だから? 卵焼きと血って関係ないじゃん」
「だから、俺が聞きたいのは『その卵焼きに血が入っているのか』っつーことを聞きたいんだけど??」
…………な。
血を入れていることを確信しているような、強気な目を向けられた。
なんなの、この人……



