優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 私はクラスメイトにいつの間にか囲まれていて、みんなと一緒に勉強会をしていた。

「ここはね、この公式を使ったらできるよ。」

「あっ、ほんとだっ!」

「それとこっちは……あ、教科書に書いてあったはずっ。……ほら、これだと思うよ。」

「あたし教科書とか読まないからなぁ。ありがと、和奏ちゃんっ。」

 元々教えるのが好きだった私は、結構この時間が好きだったりする。

 クラスのみんなとも仲良くなれるし、何より楽しい。

 だけど前々から思う、腑に落ちない事があった。

「私、教えるの下手だと思うんだけど……どうしてみんな、来てくれるの?」

 教えるのは好きだけど、得意ってわけじゃない。

 先生のほうが教えるの上手いし、私の説明じゃより分かりにくいはず。

 なのにみんなは私のところに、今みたいに聞きに来てくれる。

 それは嬉しい事この上ないんだけど……実際がどうなのか、聞いてみたくなったんだ。

「何言ってるの、和奏ちゃんは教えるのめっちゃ上手いよ! だってねあたし、この前のテスト和奏ちゃんの説明で二十点も上がったんだよ!」