優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 だからなのか、薫子ちゃんと光聖君の会話は私には聞こえてこなかった。

「今日も和奏は可愛いわぁ~。って言っても、夜星にはどうでもいいか。夜星、女子にとことん興味ないもんね。」

「言い方ってあると思うんだけどな……まぁ、本当の事なんだけどね。でも、和奏さんは頼りがいがあるし優しいから興味ないわけじゃないよ。」

「ふーん。そりゃそうよね、和奏は世界一可愛いあたしの友達だし。和奏に変な事しないでよね、あの子、初心なんだから。」

「どれだけ怪しまれてんの、俺。」



 うちの学校は授業のレベルが少しだけ高いから、勉強も難しい。

 宿題もそれなりにあるし、理系が無理な私には数学や理科はてんでダメ。

 だけど、そんな私以上に勉強が苦手な子がこのクラスには多いらしく……。

「和奏ちゃーん! ここ教えてーっ!」

「あっ、そこあたしも教えて! どうやって解いたらいいのか全然分からなくって。」

「ねぇ和奏ちゃん、これってどういう意味だったっけ!?」

 今は、三十分ほどあるお昼休憩の真っただ中。