優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 そんなわがままは言えないし、言ったら重いと思われそうだから口には出さないけれど。

「これからもずっと、好きでいてくださいっ……!」

 宣言するように、大きな声でそう伝える。

 光聖君にはっきり伝わるように、堂々と。

 だけどそれの何かが、光聖君のスイッチを入れてしまったらしい。

「やっぱり誘ってる。何、もっと甘やかされたいの? だったらお望み通り、めちゃくちゃにするけどいい?」

「……こ、光聖君になら、大丈夫っ。」

「どういう事、それ。……でも、だったらいいよ。俺の気持ちが伝わるまで、伝わっても甘く攻めてあげるから。」

 うぇ……? もしかして私、自分で墓穴掘った?

 でも結局、私がその事に気付くのはもう少し後で。

「もっと俺にちょうだい。」

 妖艶でかっこよくて、甘い言葉で。

「……和奏の、甘いとこ。」

 ――誰よりも危険な溺愛衝動があるヴァンパイアさんに、捕まってしまいました。

 【FIN】