優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 私、何かに誘ってるつもりはないんだけど……。

 一人そう考えながら、うーんと首を傾げる。

 でも、分かっているらしい光聖君は私の腕をぐいっと引っ張ってきた。

「うやっ……!」

「自分が可愛い事、自覚してないとこれから大変じゃない?」

 大変、とは……?

 さっきから光聖君の言葉の意味がさっぱり分からず、その腕の中で大人しくする他ない。

 そして私が何も分かっていない事を察知したらしい光聖君は、右手で私の頭を撫でながら。

「俺に襲われても、知らないよ?」

「はへっ……!?」

「あはは、良い反応。」

 囁かれるように、甘すぎる声でそう言われた。

 お、襲われるって……ま、ますますどういう事っ……!?

 何度も分からない事が重なって、そろそろ頭がパンクしてしまいそう。

「光聖君……い、意味はよく分からないんだけど……私、これからもっと好きになってもらえるように頑張るから!」

 だから、ずっと一緒に居てほしい。

 他の人になんて目移りしないで、私だけを見ていてほしい。