「ヴァンパイアはね……特別な血を持ってる子の、特有のフェロモンでもいいんだよ。」

「んん……ふ、ぅ……」

「そしてそのフェロモンは、甘い事するとより出てきやすくなるんだよね。」

 角度を変えて、何度も触れるだけのキスをしてくる光聖君。

 キスは慣れるものじゃないし、まだ全然経験もないからただただ戸惑ってしまう。

 は、ぁ……い、息、続かないっ……。

 ふっとそう思い、光聖君の胸板を押した時と同時に。

「和奏、俺がいいよって言うまで声抑えててね。」

 意地悪な口調でそんな言葉を告げ、私の首筋にキスを落としてきた。

 う……ま、待って、くすぐったっ……。

「ひゃ……ぁ、っ……。」

「そうそう、良い子だね。」

 声を出さないように唇を噛んで我慢するけど、結構しんどい。

 片手で口元を覆っても、息が上手くできなくなるからすぐ諦めてしまう。

 それでも、光聖君はやめてくれない。

 何度も艶やかなリップ音が響き、恥ずかしさとくすぐったさで身をよじった。

 けれど光聖君が何かを察知したように、一瞬キスをやめたかと思うと。