そう言われたと思うと、体をひょいと持ち上げられその場でバックハグ状態にされる。

 そしてすぐに後ろから腕を回され、首元にわざとらしく吐息を当ててきた。

「う……こ、こうせいく……っ。」

「何、和奏。」

「なん、で、こんな事っ……。」

 さっきからどうして、少しだけ意地悪なの?

 左手だってぎゅっと恋人繋ぎされていて、右手で優しく首元を撫でられている。

 それなのに口調がとっても意地悪全開で、思わず尋ねてしまった。

「何でって……優しくできないって、言ったよね? 和奏が俺のこと好きだって言ってくれるなら、俺はそれに応えるし俺だって同じ気持ちだから甘やかしたい。ただそれだけ。」

「ひゃ……っ。」

 鎖骨辺りをなぞられ、つい変な声が洩れてしまった。

 いつの間にか呼び捨てになっている光聖君は、その言葉通り優しくはしてくれないみたいで。

「ヴァンパイアが血だけを求めると思ったら、大間違いだよ。」

 なんて言われて、耳を甘噛みされた。

 その後に優しく顔を持ち上げられ、視線を合わせられ。