優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

「そんな事、気にしなくても良いのに。」

「でもっ……どっちにしても、迷惑かけたくなかったからっ……。」

 ぽろぽろと涙を零す和奏さんは自責の念に駆られているらしく、自分の拳をぎゅうっと握っていた。

 それが痛々しくて、見てられない。

 ……そこまで考えて泣くのは、和奏さんくらいだよ。

 それほど責任感が強いんだろうししっかり者なんだろうけど、ここまでは望んでないよ。

 俺は、いつでも血をくれる子が欲しいわけじゃないから。

「今日は吸血の日なのに、貧血かもって言いたくなくて……管理もできないのかって、言われたくなくてっ……」

「和奏さんさ、いつ誰がそんな事言うって決めたの?」

「えっ……――っ。」

「俺は、和奏さん自身が大事なの。この意味、分かる?」

 まぁ、今はまだ気付かなくてもいいよ。

 きっと鈍感な和奏さんには、届かないだろう。

 そう考えてやまなくて、思いかけた時。

「光聖君、わ、私も……光聖君のこと、大事っ……。」

「……え?」

「あの、ね、光聖君のことが、好きなのっ……!」