優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 どうしてここまで、頑なに隠そうとするんだろう。

 別に、言ったって罰は当たらないのに。

 逆に言ってくれなきゃ……不安になる。

 それほどまでに俺は、頼りない?

 何かがあってからじゃ遅い。何かがある前に言ってほしい。

 ――もう、優しくなんてできない。

「ちょっと強引な手を使うけど、大目に見てね。和奏さんが悪いんだから。」

「えっ? っ、光聖君っ……?」

 戸惑う和奏さんを無視し、近くの空き教室に連れていく。

 その中から鍵をかけ、下ろしてある椅子に和奏さんを座らせて。

 逃げられないように、ぎゅっと腕を掴んだ。

「何、隠してんの。俺が気付いてないとでも、本気で思ってるの?」

「な、何の事……か、私には分かんない。」

「あんまりしらばっくれてると、こっちも優しくしないけど。」

 俺がずっと優しいだなんて思ってたら、大間違いだよ。

 余裕がある時は優しくできるけど、なくなったらできない。

 それが和奏さん……君のことなら、余計に。

 問い詰めるような口調でそう言うと、遂に観念したらしく目を伏せた和奏さん。