優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 ……何か隠してるのは、確定なんだけど。

 それを教えてくれないのが、むず痒い。

 俺が信用されていないだけなのか、和奏さんの気持ちなのか。

 どっちにしても、自分が不甲斐ない気持ちになるだけだけど。

 でもその時、ふわりと“何か”を感じ取った。

 あぁ……そういう事か。

 だから隠そうと……そんなの、和奏さんの体に負担がかかるだけなのに。

「仕方ないなぁ……。」

 もう行ってしまった和奏さんの背中を追いかけながら、俺はそう思って。

 ……同時に、和奏さんへの気持ちがまた膨らんでいった。



 決められた場所まで段ボールを持っていき、うーんと伸びをする和奏さん。

 その顔色はやっぱりというか、少し生気がない。

「よし……段ボールも運べた事だし、教室帰ろっか。」

「待って。」

「え?」

 踵を返し帰ろうとした和奏さんを呼び止め、視線を合わせる。

 ……確定、だ。

「和奏さんさ、俺に何か隠してる事ない?」

「……な、ないよっ。」

「本当に?」

「う、うん……何にも、ないよ。」