優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 そしてその後に花瓶の水を替え、窓を開けて換気をする。

 そうしていた時、おもむろに教室の扉が開いた音が聞こえた。

「おはよう、光聖君っ。」

「うん、おはよう。今日も早いね、和奏さんは。」

「そうかな? 自分じゃあんまり分かんないよ。」

「それもそうかもね。でも、俺から見たら和奏さんは結構早く来てると思うんだけどなぁ。」

 そこまで言った彼は一旦スクールバッグを自分の机の上に置き、一つ伸びをする。

 んー……と声を洩らし、まだ眠たそうな目を軽く擦ってから。

「だって、学級委員の俺がする事もしてもらっちゃったし。」

「も、もしかして迷惑だった……?」

「ううん、むしろありがとうって言わせてほしいかな。和奏さんって本当、しっかり者だよね。」

 ははっと軽く笑い、爽やかな笑みを浮かべる彼。

 名前は夜星光聖(やぼしこうせい)君と言って、このクラスの学級委員長を務めている凄い人。

 普段はかっこいい雰囲気が漂っているけど、意外と無邪気な一面もある光聖君。

 私はよく光聖君のお手伝いをするから、結構仲は良いと思っている。