優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

「和奏さん、手伝わせちゃってごめんね。」

「ううん。仕方ないよ、薫子ちゃんも忙しいだろうし……これくらいならできるからっ。」

「そっか。いつも本当にありがとう。」

「どういたしましてっ。」

 ある日の放課後、俺と和奏さんは人気のない廊下を段ボールを抱えながら歩いていた。

 本当は高橋さんが一緒だったんだけど、部活のミーティングが運悪く入ってしまったらしく。

 その代わりに和奏さんが手伝ってくれている、というわけ。

 高橋さんはいつも何かしらの部活に駆り出されているし、忙しいのは分かってる。

 でも流石に、和奏さんに頼みすぎじゃないか?

 なんて、俺が思っても何かが変わるわけじゃない。

 和奏さんが良いって言っているのなら、止める権利はない。

 でしゃばるのも良くないだろうし、和奏さんの気持ちを無下にしたくないから。

「ふぅ……、っ、わぅっ……。」

「……和奏さん、大丈夫っ?」

 っ、びびった……っ。

 足がもつれたのか体調が悪いのかは分からないが、ついさっき体制を崩しかけた和奏さん。