優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 逆にそうしなきゃ……いつ暴走してもおかしくない。

 和奏さんはまだ、自分の気持ちに気付いていないらしいけど……多分、時間の問題。

 俺はその時まで待つつもり。

 和奏さんの気持ちが第一だし、決めつけたくないし、淡い願望を抱きたくない。

 もしこれで自分が思っているような事と違っていたら、立ち直れなくなりそうだし。

 それに……吸血してあるから、早々には他のヴァンパイアには取られない。

 取ろうとしても和奏さんの血に混じっている俺の気配を感じ取って、真っ先に俺のところに来るはず。

 それがないって事は、まだ警戒しなくても大丈夫。

 本当は和奏さんがどう思っているかは分からないから、俺もどうとも言えない。

 けど、想う事だけはずっとしていたい。

 気持ちが今は届かなくてもいい、ただこうして想うだけ。

 吸血までさせてもらってるんだから、わがままは言えない。

 ……いずれは、俺のになってほしいけど。

 俺はそんな事を想いながら、授業の内容に頭を悩ませているらしい和奏さんを微笑ましく眺めていた。