だって、その言い方は……期待、しちゃうから。

 上げて落とされるのは好きじゃないから、何とも思わないほうが良いだろう。

「あはは、図星なの?」

「……う、ぬ。」

「ふふっ……あー、本当和奏さん面白いね。こんなんじゃ、いじめたくなっちゃう。」

「うぇっ? ……んにゃっ!」

「反応が猫だね。」

 意地悪な瞳の光聖君に、むにーっと頬を伸ばされる。

 い、痛い……。

 力はあまり入っていないようだけど、少し痛みを感じた。

 だけどこれさえも、ふわふわした気持ちに苛まれる。

 私はそれほどまでに、もう――。

 検討なんてとっくのとうについているはずなのに、私はもう少し気付きたくない。

 気付いてしまったら……光聖君との関係が、壊れてしまいそうだったから。

 どうしてか、そんな不安を胸いっぱいに抱いていた。