「ううん……ちょっとね、聞きたかっただけっ。」

「何それ。和奏さんってたまに、変なとこあるよね。」

「えっ、そうかな……。」

 変って、どういう意味だろうっ。

 光聖君にはそう見えてるって、そんな目立った行動してるわけでもないと思うんだけどなぁ。

 悶々と考えてしまい、一人で唸る。

 だけどその瞬間、光聖君が私の耳元に唇を寄せてきて。

「もしかして、妬いてくれたの?」

「ふぇっ……!?」

 これでもかというくらいの甘い声で囁いてきたものだから、素っ頓狂な声を出してしまった。

 や、妬いてくれたって……それはっ……。

 ……それじゃあまるで、私が光聖君のことを好きみたい。

 でも、妬いて“くれた”という言い方だと、こう聞こえる。

 ――妬いて欲しかった、って。

 その意味から考えられる事は、一つしか思いつかない。

 けど、そんな都合の良い事が起こるはずないもん。

 やめよう、考えるのは。自分の都合良く解釈するなんてダメだ。

 自分に何度も言い聞かせるように、心の中で反芻させる。