優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

　……ん？　くすぐったい、って？

　思ってから気付いた。どうしてそんな事を思ったんだろうって。

　温かい気持ちになるのは、光聖君の性格が良すぎるからだと感じたから。

　だけどくすぐったくなるなんて、初めて……。

「和奏さん……大丈夫？」

「……あっ、うん大丈夫っ。」

　いけない、ぼーっとしちゃってた。

　お昼だから、眠たくて思考が鈍ってるのかも……なんて。

　だから変な事を考えちゃうんじゃないかって、そう思う。

　でもそんな私の眠気を、一瞬にして吹き飛ばしてしまう事を言われる。

「今日の分、貰ってもいい？」

「……あ、うん……分かったっ。」

　今日の分。それだけで、何の事を言われているかが分かる。

　慌てて椅子から立ち上がり、人のいない教室で光聖君と二人きりになる。

　……その途端、心臓がこれ以上ないくらい暴れだした。

　これはここ最近、ずっと起こっている事象。

　何故か光聖君と二人きりになるとドキドキが抑えられなくなってしまい、体中の体温が上がっていく感覚になる。