優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 そう言って聞かないものだから、どうにか説得するのが骨が折れた。

 桂月は一回駄々をこねだしたら、すぐに治らないからなぁ……うん、すっごく大変だった。

 光聖君は何かを察していたらしく、その日以降は一緒に帰る事はなかった。

 多分、また桂月に見つかったら大変だろうと悟ってくれたんだろう。

 あの後飛月が労ってくれたとはいえ、私も結構疲れた。

 だから私としても、光聖君の判断がありがたかった。

「あの時、俺があの場に居たからあんな事になっちゃったんだよね……本当に申し訳ないよ。」

「ううんっ。私が妹に話してなかっただけだし、こっちこそごめんね。妹があんなに暴走するとは思ってなくて。」

「あはは……そっか。でも、その事が聞けて良かったよ。ずっと聞こうか聞かないかで迷ってたから……はっきりさせて良かった。」

 苦笑いを零す光聖君の考えが分かって、一人納得する。

 光聖君なりに気遣ってくれてたんだ……だから、今になって聞いてきたんだ。

 そんなところにも光聖君の人柄の良さが滲み出ていて、ふわっと温かいようなくすぐったい気持ちになる。