優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

「あ、ううん……光聖君が謝る事じゃないよ。」

「うわぁぁぁ!!! 名前で呼んでるぅぅぅ!!! やめてお姉ちゃん! 名前で呼ばないでぇぇぇ!!!」

 桂月、どうしちゃったんだろう……。

 今度こそ泣きそうな桂月の頭を撫でながら、私は光聖君の言葉に同意した。

「……やっぱりごめん。今日はもう、帰ったほうがよさそうだね。」

「うん。私もそう思っちゃった。」

 光聖君には申し訳ないけれど、この状態の桂月をこのままにしておくわけにもいかない。

 とりあえず今日は、桂月の好きなものでも作ろう。

 なんて思いながら、踵を返し片手を上げた光聖君に手を振った。

「それじゃあ和奏さん、また明日学校でね。」

「うんっ! また明日っ。」

 私の言葉にふっと笑ってから、光聖君は行ってしまった。

 そしてその途端、桂月が私の腕を強引に引っ張ってこう宣言する。

「お姉ちゃん! 話は家でじっくり聞くから!」

「う、分かったから……ひ、引っ張らないでっ。」

 強い力で引っ張られてしまっているから、痛いのなんの。