優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

「……ここまで来るとお人好しだね。和奏さんは。」

「そ、そう? 自分じゃそうは思わないけど……」

「自覚ないの? ……危険だと思うよ、和奏さんの性格。悪い人に捕まっても気付かなさそう。」

 捕まった事、ないからどう返せばいいか分かんない……。

 というよりはお母さんのほうが、悪い人に捕まっちゃいそうなんだよなぁ。

 この前だって、悪徳セールスの言葉をまともに聞こうとしてたし。

 私が止めなかったら、今頃どうなっていたか……。

 私が捕まる、なんて事はないと思う。もしかしたら、ただの慢心かもしれないけど。

「まぁ、和奏さんはそのままでいてくれたらいいよ。俺が守るし。」

「え?」

「だって、和奏さんの血はヴァンパイアを惹きつけるって言ったよね? この世界に、俺しかヴァンパイアはいないと思ってる?」

 意味を含ませるような言い方で伝えられた、そんな言葉。

 ま、まさか……。

「私が……他のヴァンパイアにも狙われちゃうかもしれない、って事?」

「ご名答。今日は俺だったから良かったけど、強引なヴァンパイアだってもちろん居る。それこそ、和奏さんの血を飲みたくて仕方ないって奴もいつか現れる。」