優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 やっぱり……なんだか申し訳ない。

 分かってたのに、私自身が何の自覚もなかったからずっと何も言わないでくれたんだ。

 本能で惹きつけられるっていうから、余計に。

 そんなところから光聖君の人柄の良さが分かって、私は自然と口に出していた。

「……いいよ。」

「え?」

「これからは私の血……吸って、いいよ?」

 光聖君にはこれまで、いろいろな事でお世話になってきた。

 助けられた事だってあるし、ずっとありがたさと自分の不甲斐なさを感じていた。

 だから、光聖君がよければ……私はそうやって、自分ができる形で恩返ししたい。

 でも、光聖君は呆気にとられた様子で瞬時に慌てる。

「……それ、これから俺に何度も吸血されるって事なんだよ? 俺としてはありがたいけど……和奏さんに申し訳ないよ。ただ単に、俺の事情で和奏さんを振り回したくないし。」

 真剣で不安がっている素振りを見せる光聖君。

 私はその言葉に、「ううん。」と首を左右に振った。

「大丈夫だよ。これまで我慢させちゃってたの申し訳ないなって思ったし、光聖君にはずっと助けられてきてるから。私も、光聖君の力になりたいの。」