優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 ……私、そんな事知らなかった。

 今までヴァンパイアという非現実的な人と関わった事がなかったし、自分の血はいたって普通だと思っていたから。

 でも……知らなかっただけ、って事なんだよね。

 あれ? だけど、光聖君さっき……。

「前々から……って、どういう意味?」

 そう言うって事は、前から私が他の人とは違う血を持っているって分かっていたって事だよね?

 だとしたら、どうして今まで吸われなかったんだろう。

 惹きつけちゃうっていうくらいなんだから、もしかしたら光聖君が我慢していた?

 なんて、あれこれと考え込む。

 光聖君はそんな様子の私を見て、薄くくすっと笑うと。

「言葉通りの意味だよ。和奏さんを一目見た時から、ヴァンパイアだけにしか分からないフェロモンがあった。けど、急にヴァンパイアがって話をしてもきっと信じてくれないだろうと思って、今までは何にも気付いてないふりをしてたんだよね。」

「……我慢、してた?」

「まぁ……してないって言えば、嘘になるけど。」

 少し悩んだような素振りを見せ、苦笑を零した。