優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 吸血のほうは、仕方ないと割り切る事ができる。

 けれど……ファースト、キスだったのに……っ。

 一人そう考えて、かぁぁっと顔が熱くなっていくのを感じる。

 そこに追い打ちをかけるように、光聖君はへたり込む私と視線を合わせて口を開いた。

「ごめんね。……ファーストキス、奪っちゃって。」

「っ……! で、でも仕方のない事だからっ……は、恥ずかしかったけど……だ、大丈夫っ。」

「ふふ、和奏さん優しいね。」

 恥ずかしいし、やりきれないような気持ちもあるけど……それが自然現象なら、私がどうこう思っても変わるものじゃない。

 結果的に光聖君の力になれていたら、それでいいかなっと考えかけていた。

 だけど光聖君は、私を見つめたまま再び言葉を紡いだ。

「……そんなんだったらすぐ、他のヴァンパイアにも狙われちゃうよ。」

「へ……?」

「さっき吸血して、確信がついたんだ。……和奏さんって、俺みたいな奴を惹きつけちゃうらしいね。」

「こ、光聖く……っ。」

「だからこんなに、そそられるんだ。」