優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 それでも、キスを何度かされているから力は入らないまま。

「……和奏さん、ばてちゃったかな。」

「う……こうせい、くん……何で、こんな事っ……。」

 肩で大きく呼吸を整えながら、光聖君に尋ねる。

 キス……初めてだったのに。

 それにどうして、何回もしてきて……。

 次々と出てくる疑問について問いただそうと、じっと光聖君を見つめる。

 でもその答えは、光聖君の説明によって解決する事となった。

「急にキスしちゃったのは申し訳なかったよ。……けど、体楽になったでしょ。」

「う、うん……確かに、そうだけど。」

「それだよ。こうして吸血すると、されたほうは体に火照りが現れてしまうんだ。それを抑える方法は、吸血したヴァンパイアとキスを交わす事。しかも、深いほうをね。だからさっき、和奏さんの体に異常が出てたんだ。」

 な、なるほど……?

 妙に納得しづらいラインだけど、そう納得しなきゃいろいろと腑に落ちない。

 だけどこれでやっと、私は光聖君が本当にヴァンパイアだったんだと分かってしまった。