優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

「これで分かったよ。和奏さんが甘い理由。」

「え……?」

 私が、甘い……? どういう事……?

 光聖君の言う意味が全く分からなくて、瞬きを繰り返す。

 思わず顔を上げると、今まで見た事もないような妖艶さを備えた光聖君と目が合った。

 っ……!? 何、この感覚っ……。

 その途端、ぎゅっと心臓が掴まれたような感覚に陥る。

 次第に言いようもないくらい体が震えてきて、体に力が入らなくなってしまう。

 生まれてこのかた十五年、経験した事もないくらいの変な感覚に襲われて自分じゃどうしようもできなくなる。

「こうせい、く……体、熱い……っ。これ、どうなって、るのっ……?」

「……あー、そっか。吸血したから、“あれ”しなきゃなんないのか。」

 光聖君はそんなよく分からない事を口にすると、私の頬を優しく触って自分と視線を合わせるようにして。

 ……私にとって、衝撃的な事を口にした。

「和奏さんは、キスした事ある?」

「……な、ない、けど……ど、どうしてそんなこと……っ。」