優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

「和奏さんは何もしなくていいよ。ただ、あんまり抵抗しないでくれると助かるかな。」

「て、抵抗っ? ……わっ。」

 光聖君は簡単にそう言うと、私を近くの壁に押し付けた。

 そして、私の手を自分の腕に乗せるように誘導させる。

 ど、どうするんだろうっ……。

 壁ドン紛いなものをされている事実に内心ちょっぴり驚くも、好奇心のほうが勝る。

 だけれどそう思った途端、光聖君は私のカッターシャツの第一ボタンを外した。

 へぁっ……!?

「あ、の……光聖、君……。」

「こうしなきゃ、吸いにくいから。許してね。」

「う……は、はい。」

「ありがと。」

 薄く笑みを浮かべる光聖君は、最初は私の耳を優しい手つきで触ってきて。

「ひゃ……っ。」

「……やっぱり、そういう事ね。」

 その手を首筋まで降ろし、軽く指先で撫でてから。

「っ……。」

 私の首筋に、ゆっくりと牙を立てた。

 ……ちょっと痛い、かも。

 牙が食い込む感覚が直に分かって、無意識に光聖君の制服の袖を握る。