スマホでお父さんとお母さん宛てにそんなメッセージを送り、それから戸締まりができているかを確認する。

 その後で私は、一瞬家の中を振り返ってから玄関から出た。

「行ってきます。」



 私が何故、こんなに慌ただしい生活をしているか。

 その理由はごく単純。

 お父さんとお母さんが仕事の都合で出張に行っているから。

 元々二人は出張が多い仕事に就いていて、家に帰ってくるなんて一年に一度あるかないか。

 だから私がその二人の代わりに、いろいろしてるんだ。

 双子たちに寂しい思いをさせたくないし、中学生という忙しい時期に余計な心配をかけたくない。

 そういった思いから私は、物心ついた時から家事をしている。

 苦労もあるけど、やっぱり楽しいから続けられる。

 マイナスな思考は、あんまり持たないほうがいいし……。

 そういえば、双子たちテストが近いって言ってたけど勉強大丈夫なのかなぁ……。

 そうぼんやり思っていた途端、いきなりポケットの中のスマホが着信を知らせた。

「わっ……!」