「ふぇっ!?」

「あははっ、良い反応だね。」

 うー、笑い事じゃないよ光聖君……。

 驚く私とは裏腹に、愉快そうに笑う光聖君はどこか大人っぽく見えて。

「……俺がヴァンパイアだって教えたのは、和奏さんが初めてなんだよ。」

 なんて言いながら、せっかく離した距離を詰められて。

「だから、ね……吸血、させて。」

 キラッと鋭く危険に光った瞳に、思わずドキッとしてしまった。

 でもすぐに、私は抗議を再開する。

「……わ、私の血なんか美味しくないよっ?」

「それ本気で言ってる? ……和奏さんの血って、天然記念物並みに甘くて美味しいのに。こんなに美味しい血があっただなんて、びっくりしてるくらいだし。」

「うゆ……。」

「それにさ、俺ってやっぱりヴァンパイアだから、定期的に血を摂取しなきゃダメなんだよね。そうじゃなきゃ、弱体化して死んじゃうし。……最近、全く血を摂取してないから体調悪いんだよね。」

「うぬ……。」

「……それでも、ダメかな。」

 うぅっ……そ、そこまで押されちゃったら……こ、断れないよ。