「ヴァ、ヴァンパイア……?」

「うん、ヴァンパイアなんだよね。」

「……光聖君、エイプリルフールは結構前に終わったよ?」

「嘘じゃないって。和奏さんも俺の能力、体験してるから本当だって分かるはずだよ。」

 能力、って……。

「怪我を、治してくれた事……?」

「そうだよ。そんな事、普通の人間にはできないでしょ。だから俺は、ヴァンパイアなの。」

 光聖君の言い分を聞き、確かに……と納得してしまう。

 でも、理解が追い付いたわけじゃない。

「ヴァンパイアって実際に存在してるの……? そういうのって、空想上の生き物なんじゃ……。」

「まぁこの世界には、純妖怪なんて数えられるくらいしかいないしね。俺だって、人間とヴァンパイアのハーフだし。」

「……ハーフだから、日光に当たっても灰にならないって事?」

「端的に言うとね。ほとんどは人間と一緒だよ、俺も。」

 そ、そうなんだ……正直、未だ理解はできないけれど。

 だけど、ヴァンパイアって言われなきゃさっきの出来事は納得できない。