優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 そんな様子の私を見ていた光聖君は、何かがおかしかったのかふっと笑った。

「和奏さん、そんなに今自分の起きた事が信じられない?」

「……逆に、どこをどう信じればいいのか分からないよ。」

「ふっ……確かに、それもそうだね。まだ和奏さんにも、言ってないもんね。」

 私にも、言ってない……?

 それは、何を指していてどういう意味で……?

 はてなが増えていく私の脳のキャパは、そろそろなくなってしまいそう。

「光聖君……さっき私に、何をしたの……?」

 まとまっていない頭のまま、思っている事をストレートに口に出す。

 すると光聖君は、今度は見た事もないような妖艶な笑みを浮かべて。

「実はね――ヴァンパイア、なんだ。」

「…………え?」

 とんでもない事を、言葉に表した。