優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

 中にはもうすでにゴミ箱に入れられているものもあって、ちょっとだけ悲しくなってしまう。

 私が神経質なだけかもしれないけど、なんだかそう思ってしまった。

 ゴミ箱に入れられているものはどうしようもないから、それ以外の資料を綴じていく。

 えっと、この資料は……このファイルに入れたほうがいいよね。

 頭の中で考えを巡らせながら、いくつかのファイルを取り出す。

 ……けれど、資料を綴じようと用紙の束を数えていた時。

「……痛っ。」

 わ、指切っちゃった……。紙は切れやすいって、本当だったんだ……。

 今まで紙で指を切ってしまった事がなかったし、思わぬ怪我だったから顔をしかめてしまう。

 それに気付いたらしい光聖君は、不安そうな表情を浮かべながら私の元に来てくれた。

「和奏さん、どうしたの……って、指切っちゃってるよ……! 大丈夫……!?」

「あ……う、うんっ。全然平気だよ!」

 傷が深いわけでもないし、そこまで大層な怪我でもない。

 後で絆創膏、貼っておこう……。