優しい学級委員長の、隠れた吸血溺愛衝動は。

「そうそう! というか、先生より教えるの上手いし!」

「うっ。」

 今、先生の泣きそうな声が聞こえた気が……。

 そう思ったけれど、その時ある事をはっと思い出した。

 そ、そういえばっ……!

「みんなごめんねっ! 私先生に呼び出されてたの忘れてた!」

 広報委員会に所属している私は昨日先生に、こう言われていた。

『明日放送室の整理をするんだけど……紅未さん、手伝ってくれない?』

 どうして私なんだろうと不思議に思っていたけど、行かなくちゃダメだ。

 だから私は急いで机の上を片付け、もう一度みんなに謝ってから急いで放送室へ向かう。

 うぅっ、先生ごめんなさいっ……。

 心の中で謝りながら、私は放送室の扉を開けた。

「先生、来るの遅くなっちゃってごめんなさ……って、あれ? 光聖君?」

「和奏さん、どうしてここに?」

 でも放送室には先生の姿はなく、資料を整えている光聖君の姿が。

 ど、どうして光聖君がっ?

 今がどういう状況なのかが全く分からず、頭にはてなを浮かべる事しかできない。