私、紅未和奏(くれみわかな)の一日は慌ただしく始まる。

「二人とも朝だよー! 起きてー!」

「んむむぅ……まだ眠いよぉ、お姉ちゃぁん……。」

「あと五分、それか十分寝かせて……。」

「だーめ! 早く起きなきゃ中学校遅刻しちゃうよ!」

 私は朝から大きな声を上げながら、二人分の布団をばっと剥がす。

 すると二人とも、寒そうに体を丸めてしまった。

「ほら二人とも、朝ご飯できてるから早く起きちゃって!」

 やる事がまだある私は頑張って起こそうとしている二人……双子の兄妹たちにそう言い残し、急いで階段を降りる。

 そして私はその後に兄妹と自分の分のお弁当を作り、蓋を閉める。

 その次には降りてきた二人と朝ご飯を食べてから、妹の髪のセットを手伝い弟の忘れ物チェックも欠かさずにして。

「「行ってきまーす。」」

「うん、行ってらっしゃいっ。」

 自分の身だしなみもチェックしながら、二人を送り出した。

《おはよう、お父さんお母さん。今日も二人とも元気だよ。もちろん私もだよ。》