不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 


 和香と図書館をうろうろしたり、コンビニでお昼を買って図書館外のベンチで食べたりして、一日を過ごした。

 朝、和香と出会ったとき。

 ほんとうはコンビニに切らしていた珈琲を買いに行くところだった。

 ついでに、それも買ったし。

 まあいい感じに休日の夕暮れを迎えたな、と耀は満足した。

 だが、ちょっと欲も出る。

 ……このあと、二人で呑みに行ったりできるだろうか?

 和香を誘ってみようか、と思ったそのとき。

 図書館のテラス。
 夕暮れの光の中で、借りた本を眺めていた和香は微笑み、こう言った。

「なんか久しぶりです、こういうの。

 社会人になると、人と話すときは、食事かお酒がつきものじゃないですか。

 学生時代にみたいに。
 こんな風に、ただ一緒に本を読んだり、外で並んでお弁当を食べたりとか初めてです」

 ……誘えなくなったじゃないか。