不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 やはり、俺には、このくらいシンプルな方が似合うだろう。

 それに、その赤いエコバッグを何処かで手に入れたとしても。

 石崎だけじゃなく、羽積って男ともおそろいになってしまうしな。

 そう結論づけながら、外に出ると、和香が目を見開き、驚いたように自分の手元を見た。

「あっ、課長っ。
 その白い布袋っ」

 どうしたっ?
 白い布袋がなんなんだっ。

 まだそんな時期じゃないから、サンタとは間違われないぞっ。

 そんなに袋、デカくもないしっ、と思っていると、和香が笑って言う。

「この家に住んでいる老夫婦が持っている白い布袋と同じですっ」