不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「隣の羽積ってやつはイケメンか?」

「……はい」

 知らない間に、口から違う言葉が出ていたようだ。

「見ます? 羽積さんの写真」

 何故、俺が知らない男の写真を見なければならないんだ、と思いながらも、和香が手にしたスマホを覗き込む。

 写真が現れる前に、訊いていた。

「なんでお前、その男の写真持ってるんだ」

「いや、メインはこの猫です」
と和香は写真に写っている猫を指差す。

 可愛いキジトラの猫だ。

「ご近所さんちから逃げ出した猫なんです。
 みんなで捕まえまして」

「……猫よりこの男の方が大きく写ってるが」

「それ撮ったの、近所の主婦の人なんで」