「それもいいじゃないですか」
と和香は笑う。

「二人で意識が飛ぶほど呑んで。
 ひっくり返って寝てて、目を覚ましたら、最初のときみたいに、相手を見て、また恋に落ちるんですよ」

「和香……」
と耀は感動したような顔をしたが、すぐに、

「ん?」
と言う。

「待て。
 まず、お前、呑んでもなかなか酔わないし。

 最初、目を覚ましたときは、俺のことを敵か味方かって、マジマジ眺めてただけなんだろうが」

「まあいいじゃないですか。
 課長のこと、今は大好きなんですから」

 今はっ!?
と話が堂々巡りする新婚初夜。

 だが、なんだかんだで、和香たちは幸せな夜を迎えた――。